OpenAIのChatGPTは様々な業界に衝撃を与えましたが、マイクロソフトはこの強力なAIテクノロジーを広告プラットフォームの強化に活用するなど、広告分野においてもシェアを拡大しようとしています。
その一環としてChatGPTをMicrosoft AdvertisingとBing Adsに統合することで、同社は広告配信者が広告キャンペーンを作成し最適化する方法に革命を起こすことも目指しています。
これからBingがシェアを伸ばすかどうかが鍵ですが、その可能性についてリサーチしてみました。
BingのChatGPT統合がユーザー成長を促進
大きな動きとして、Google Chromeが圧倒的シェアを誇る分野で、MicrosoftのBingはOpenAIのChatGPTを検索エンジンに直接統合しました。
Bingでは、ChatGPTを活用した検索が可能となり、ユーザーはウェブ引用でよりタイムリーで適切な回答をチャットで受け取ることができる用になりました。
この統合はBingの大きな成長を促し、検索エンジンは1億人のデイリーアクティブユーザーを突破し、その3分の1は毎日AIチャット機能を利用しているそうです。
現在の日本の検索エンジン市場シェア
2023年時点で、グーグルはデスクトップで約75%、モバイルデバイスで82%以上の圧倒的なシェアを持ち、日本の検索エンジン市場を独占しています。
ヤフーは約14%のシェアで2位、Bingは約8-10%のシェアで3位につけている状態だそうです。
まだBingが短期的にシェアを奪うことは難しいかもしれませんが、日本では、企業でのEdgeブラウザ、Windows PCの利用率が高いことから、長期に的に見れば企業などが新たにPCを購入した際にマイクロソフトはBingに乗り換える可能性は大いにあり、Googleの検索シェアを奪っていくことは十分に可能性があると言えます。
マイクロソフト広告、ChatGPTを活用した広告プラットフォームを発表
MicrosoftがGoogleのシェアを奪うために、広告主が会話型AIの力を活用できるよう、Microsoft Advertisingは「Ads for Chat」APIを開始しました。
これにより、ウェブサイトやアプリ、オンラインサービスは、チャット体験内に関連性の高い広告を掲載することで、BingのAIチャットを収益化できるようになるそうです。
アメリカのSnapchatのようなアプリではすでにAPIを使用して、同社の「My AI」チャットボットを通じて2200万人以上のユーザーに広告を配信しているとのこと。
日本でも少しずつこのような動きが活性化することでしょう。
AIが生成するコンテンツで広告制作を強化
ChatGPTの人間のようなテキストを生成する能力は、広告配信者の広告コピーライティングを支援するためにも利用できます。
このAIモデルは、説得力のある広告の見出しや説明文、さらにはソーシャルメディアや電子メールのキャンペーン全体を生成することにも利用できます。
アウトプットにはまだ人間によるレビューと推敲は必要ですが、かなりの部分で活用でき、新しいクリエイティブの方向性をAIからインスパイアすることができるようなってきているのは確かです。
会話データによるターゲティングと関連性の向上
まだ、発展途上ですが、今後もっとも脅威になるのが、会話データによるターゲティングだと思います。
その活用は、これまでの広告の興味関心レベルとは比較にならないほどの精度になることは想像がつきます。
ChatGPTの会話的な性質が広告に利用できれば、広告ターゲティングを改善するために使用できる豊富なデータを有することになり、
この情報を活用した、きめ細かいオーディエンスのセグメンテーションと、時間をかけてパーソナライズされた広告配信を可能性するでしょう。
個人情報の取り扱いの問題にはなりますが、個人情報保護よりも利便性を求めるユーザーにとっては、非常に活用しがいのある広告提案体験になるでしょう。
今後の展望
以上のようにマイクロソフトは、ChatGPTの機能を広告プラットフォームに融合させる革新的な方法を模索し続けており、私たちも今後の広告トレンドに追い続ける必要があると感じています。
この技術はまだ始まったばかりですが、会話型AIが検索とデジタル広告の将来においてますます重要な役割を果たすことは明らかです。
急速に進化する領域のため、今後もトレンドを注視し、配信テストなどを行なっていきたいと思います。