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熊本から世界へ届ける越境ECの第一歩

インターネットで物販をしている会社にとって、販路開拓は悩ましい問題の一つです。
店舗やECでの販売が頭打ち・さらなる販路拡大を考えたときに、海外に販路を拡大する越境ECという選択肢があるかと思います。
最近ではDeepLやChatGPTなど、ネイティブに近い翻訳機能が誕生しているため、英語が分からなくてもある程度運用ができる環境が整い始めています。
まずは越境ECを始めるにあたって、何からスタートさせるのかが分からないという方のために、この記事では、越境ECを始める第一歩を解説します。

越境ECとは

越境EC(電子商取引)は、国境を越えたオンラインショップの運営であり、多くのビジネスチャンスがある一方で、適切な戦略が求められます。オンラインで簡単に海外に販売できますが、商品によってはオンラインだけの販売には向かず、体験が重要な要素となる商品も存在します。顧客のニーズや価値提案の伝え方が重要で、どのようなプラットフォームを活用するかが戦略のカギとなります。

越境ECのパターンについて

越境ECを行うにあたり、主に3つの方法が考えられます。

  1. 海外のECモール出店中の店舗へ販売委託する。
  2. 海外のECモールに自社で出店または出品をする。
  3. 日本国内の自社ECサイトで海外展開をする。

販売方法は、いくつか方法がありますが、最も重要なのは認知がない海外でのマーケティングです。

海外にある越境ECモールに出展する方法や国内の自社ECサイトで海外展開する場合のいずれにせよ、環境分析や戦略立案を策定し以下に海外で認知してもらうかという部分が重要になります。

今回は「海外のECモールに自社で出店」と「日本国内の自社ECサイトで海外展開」のふたパターンで比較してみます。

海外のECモールで販売する

一つ目は、海外にある越境ECモールに出店する場合の特徴です。

代表的なECにはAmazonのUSAやeBayがあります。

既に存在するECモールに出店または出品を行うので、サイトの構築や管理システムの構築を行う必要がありません。初期費用を抑えて、すぐに始められるという利点があります。

さらに、ECモールの場合は既に購入を目的とした多くの人が訪れているため、プロモーションをかけずとも自社の商品にたどり着く可能性が高まりますので、モール型のECプラットフォームに出店することで、迅速に販路を広げることができます。

また、モールに出店のメリットは購入する側が安心して購入できるため、高級なブランド品や、信用が担保されることがメリットになる商品が向いているでしょう。

海外のECモール販売の注意点

モール型のデメリットとして、手数料の高さやモールのキャンペーンやルール改正など強制的なルールの縛りなどがあります。

さらに、競争が激化しく利益が出なくなる場合や、すでに大手競合に勝てない場合も考えられます。

さらに販売のノウハウが溜まりにくい、あるいは顧客情報や購買データの全てが閲覧できないというデメリットもあります。ライバルが多ければ価格競争に巻き込まれやすく、大型キャンペーン時に大幅な値下げを要求される場合も発生します。

自社ECサイトで海外展開をする

自社越境ECサイトを構築する場合には、初期投資は必要になるものの、自社のルールで販売ができ、モールに支払う手数料などもありません。最大の問題は集客になります。

自社ECサイトは作っただけでは集客が見込みにくく、そのため販売ターゲット国において多くのプロモーションをかける必要が出てきます。

商品名やブランド名は知らなくとも、そのカテゴリーが弱く認知されていない場合は、ニーズがないため、そのカテゴリを知ってもらう必要からのスタートとなり、かなりのマーケティングが必要になります。さらにわざわざ海外から購入する必要のなるものでなければならないため、何でも売れるわけではありません。

販売したいカテゴリが日本独自のものであり、海外で強いのかを判断しましょう。カテゴリー名が強い商品の場合は可能性があります。

日本語がそのまま英語読みになっているカテゴリは勝機あり

例えば日本語がそのまま英語読みになっている商品や機能が優れた文房具、日本由来の成分が使用されている商品、和柄の商品、漫画、アニメ、伝統工芸品などその類です。

ブランドや商品名は知らなくても、カテゴリーが認知されている場合は、外部チャンネルから集客して独自ドメインサイトで教育し、ファン化させるというスキームを作ることができます。

熊本の伝統工芸品の可能性

熊本にも可能性のある伝統工芸品はあります。

例えば川尻刃物。日本の包丁は海外で高い評価を得ており、日本だけで販売しているのはもったないかもしれません。他にも肥後手まりなど、熊本の伝統工芸品ですが、技術や美しさ、子どもへのプレゼントなどにもいいかもしれません。他には熊本は豊富な竹資源が豊富なため竹工芸など改めて見直されるべき熊本の伝統工芸品はたくさんあります。

わざわざ日本から買いたいと思わせるストーリーを

海外においても日本の製品は人気のため、模倣品など現地で似たような商品が出回っていることは少なくありません。

その中でわざわざ日本から買いたいと思ってもらうためには、日本で作られている質の高い製品であることがわかる、商品の作り手や製造過程を発信することでブランディングをすることが方法の一つです。日本の本物を求めるニーズに応えるようにしましょう。

独自ドメインサイトを運用する際には、検索エンジンでそのカテゴリーの上位表示を目指すことが重要です。適切なSEO対策を行い、検索で1位を狙うことが効果的な集客方法となります。

独自ドメインのサイトでファンを作り安心して購入してもらうためにECモールを使うのも一つの手段です。最近ではshopifyが世界で利用されているのでshopifyでカートを構築することで安心して購入する人も増えています。

また、SNSやインフルエンサーを活用したマーケティングも有効です。特に、越境ECにおいては、異文化や異なる言語圏の顧客を対象としているため、その国や地域の文化や言語に精通したインフルエンサーを活用することで、より効果的にブランドや商品の訴求が可能になります。

さらに最近ではSNSから直接ECでの購入ができるようになっていますので対策としてはSNSの重要度が高いでしょう。

インバウンドの体験をもとにファンを獲得する

インターネットだけでは、販売やファンを作るのが難しいジャンルもあります。

その場合はリアルの施策も重要ですので、インバウンドで日本や熊本を訪れる旅行者との接点を持つことも重要です。日本を訪れる人はすでに日本びいきのためうまく接点を持つことで帰国後のファン化も狙います。例えば熊本に来た旅行者にインバウンド向けの体験型のイベントやワークショップを開催し、参加者にショップカードを渡してオンラインでの購入まで接点をもつなどです。

オンラインだけでなく、リアルな接点を持つことで、顧客との強いつながりを築くことができます。shopifyならメルマガの配信といった機能も充実しています。

配送・関税について

越境ECにおいて、配送は非常に重要な要素です。国際配送を行う際には、禁止製品に注意する必要があります。禁止されている製品は、日本の法律で取り扱いが禁止されているもの、送り先の国で禁止されているものなどがありますので、事前に各国の規制を調査して注意することが重要です。禁止事項に関する情報は、日本郵便のホームページや財務省のホームページで調べることができます。

国際配送について

主な国際配送方法は、EMSとクーリエ便(DHLなど)の2つです。EMSは公的機関による国際郵便で、クーリエ便は民間企業によるドアツードア国際宅配便です。どちらの方法でも通関士が税関の申告を行い、関税が決定されます。EMSの場合は、税関職員が送られてきた書類をチェックし、問題がありそうなものだけをピックアップして内容のチェックを行います。一方、クーリエ便では、関税の支払いをEC事業者が行うか、荷物を購入した人が行うかを選択できます。EMSでは受け取り人の支払いしか選択できません。

配送に関するトラブルを避けるためには、サイトに関税に関する情報を記載しておくことが必要です。受取拒否が発生した場合、EMSは返送に費用がかからないため、大きなメリットがあります。一方で、スピードや品質はクーリエの方が優れているため、高額な商品(ブランド品など)の配送にはクーリエが適しています。

国によってEMSのルールが異なることにも注意が必要です。クーリエ便は、自社で輸送ルートを持っているため、安定した配送が可能です。また、料金面では、基本的にEMSの方が安い傾向にありますが、クーリエ便は実重量と容積重量のどちらか大きい方を基準に料金が決定されます。EMSとクーリエ便の両方を配送手段として持っておくことは、リスク分散という意味で非常に重要なポイントです。

配送に関しては、自社配送とアウトソーシングの選択肢があります。自社で行う場合、最も大きなポイントはコストです。配送費用やオペレーションコストがかかりますが、EMSの場合、割引率が決定される規定の個数に達しない限り割引が適用されません。クーリエ便と契約する場合も、良い条件の契約は難しいことがあります。ただし、EMSを多く出している配送代行業者は、配送料がリーズナブルになりやすいです。

自社で配送を行う場合、オペレーションコストや学習コストなどの人件費が意外とかかります。そのため、マーケティングや拡販にリソースを使った方が良いという考え方もありますが、最初から大量の商品が売れるとは限りませんので、一から自社で経験を積み、どのような仕組みかを知ることが肝心です。
軌道に乗って、自社での配送が難しくなってからでもアウトソーシングは遅くないでしょう。それまでに越境ECに関するノウハウが蓄積されているはずです。

関税について

国際販売を行う際には、関税についても気をつける必要がありますが、Shopfiyには関税対策にも優れた機能を提供しています。
商品の到着と同時に顧客が輸入税や関税を支払うことも可能ですが、先払いにしておくことで関税の審査による遅延リスクを軽減することができます。

以下の要件を満たしている場合、Shopifyではアプリ不要で決済時に関税と輸入税を徴収することが可能です。

  • プレミアムプランもしくはShopifyPlusを契約している
  • HSコードと呼ばれる国際取引に置いて商品を表す6桁のコードが設定されている
  • 税金に関する登録が済んでいる

これらの要件を満たしていない場合でも、関税と輸入税の見積もりを決済時に表示させるためのアプリを利用することで、顧客に対して透明性のある価格設定を提供することが可能です。プレミアムプランは月額料金がかさむため、まずはアプリなどで対応するのがいいでしょう。
運用にあったアプリを選びましょう。

まとめ

越境ECを成功させるためには、商品の特性や顧客のニーズを考慮し、適切なプラットフォームやチャンネルを活用することが重要です。モール型ECサイトや独自ドメインサイト、さらにはリアルな接点やデジタルマーケティングを組み合わせることで、効果的な販売戦略を構築することができます。それぞれの戦略のメリット・デメリットを理解し、自社の商品やブランドに適した戦略を選択していくことが、越境ECでの成功につながります。

当社では越境ECを構築に最適なShopifyでのECサイト構築も行っております。

ご興味がある方はSHIN株式会社へご相談下さい。

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