5月24日に、西日本最大級の農業の商談展示会「九州農業Week」が、初めて熊本のグランメッセ熊本で開催され、先進的な展示を体験してきました。
九州農業Weekは、農業と畜産の総合展示会で、これまで東京と大阪で毎年開催されてきましたが、今回は初めて九州で開催。300社以上の企業が出展し、初日から駐車場が満杯になるなど3日間で合計17,322名の来場者が訪れ、大盛況だったそうです。予想以上の盛況ぶりに、早くも来年の開催も決定されているようで、熱気あるイベントでした。
放牧牛GPSイヤタグ監視システムのAnimal Monitoringのブースを視察
展示場では、農業機械やスマート農業製品、鳥獣害対策、6次産業化、畜産資材など、多岐にわたるサービスや商品が展示されていましたが、今回、来場した目的は、株式会社ロジカが開発した「放牧牛GPSイヤタグ監視システムのAnimal Monitoring」のブースにお邪魔しました。
この「Animal Monitoring」は、牛の動きをGPSタグ「CERES TAG」を活用したモニタリングサービスで、放牧牛の耳に装着したイヤタグが低軌道(LEO)衛星を経由して直接位置情報を送信、牛の居場所を特定できる革新的なシステムです。放牧の効率化と生産性の向上に寄与するため、ブースには、酪農家や畜産家など多くのかたが訪れ大きな注目を集めていました。
現在、飼料費や燃料費が高騰しており、頭を悩ます酪農家や畜産家にとって、このようなテクノロジーは、放牧型の産業への転換を促し、長期的に見て放牧は日本の酪農・畜産を維持するための重要な手段となると言われています。
◆放牧型の産業への転換
これらの技術を活用して、持続可能な社会を実現する一助となることを目指し、その普及活動の第一歩のイベントでした。
他にもテクノロジーで日本の農業を救うサービスや製品がたくさん展示されていました
さらに、展示会では「Animal Monitoring」以外にも、AIが画像を識別して収穫するロボットや、トマトの色づきや花の数から将来の収穫量を予測できるロボット、大型ドローンを活用した省力化のための農業機械など、多くの先進的なテクノロジーが展示されていました。
これらは、後継者不足に悩む農家をテクノロジーの力で救うための斬新なアプローチであり、日本の人口減少に伴う農業の衰退を防ぐ可能性を秘めています。
熊本では、後継者問題やTSMCの進出などによる地価高騰で、農業を諦め農地を手放すことを決断する農家が増えている中、最先端のテクノロジーが持続可能で収益性の高い農業の実現を促進する一方で、新たな農業の形を示していました。これは、農業の未来に対する期待と可能性を示すものであり、展示会を通じて農業の現状と未来についての新たな視点を得ることができました。
私たちは常に進化し続けるテクノロジーとともに、持続可能な農業の実現を目指していく未来に多くの知識とインスピレーションを得るこたができました。
また次回も九州で開催されるとのことで、更なる進化を楽しみにしています。